往診に出かけた家に障害を持った幼児がいました。劣悪な環境の中にいるこの子たちをなんとか救ってあげたい。純粋な思いを持ちました。
道もない、飲む水もない、電気も電話もない、奥沢の山を開拓して知的障害を持つ子供たちの楽園を作ろうと決心します。
施設が7分通り出来上がった昭和41年9月26日、台風26号によって無残にも園舎が破壊されてしまいます。「天災とはいえ、こみ上げてくる悲しみと怒りと挫折感はどうすることも出来なかった」と創立者は回想しております。昼夜を分かたずの突貫工事で一部を完成させてやっと開園にこぎつけます。
創立者で女医である岸直枝先生は私財を投じて昭和41年11月1日、日本で初めての幼児の知的障害児入所施設、わたらせ養護園を始めました。定員は30名。施設長には信念の活動家ガールスカウト日本連盟の総主事清水俊衣先生を迎えます。彼女は子どもたちを天使と呼びました。
使命に燃える2人の女性が蒔いた祈りの種が、実を結び大きく育っています。
創始者たちの熱い思いを忘れてはいけない。とここに記します。
理事長 野口秀樹